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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2021年度・2022,No.24 >

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タイトル: 記憶のルシクラージュ―負の記憶を忘れないために―
その他のタイトル: Le Recyclage de mémoire : pour nous rappeler des souvenirs négatifs
著者: 大屋, 幸恵
OHYA-SATO, Yukie
発行日: 2022年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 本稿ではネガティブな感情をともなう「負の記憶」に対する記憶のメカニズムを確認するとともに,そのような「負の記憶」を個人としてだけではなく社会的に保持し続ける要件について検討する。具体的には,東日本大震災の被災地における地震や津波の被害,さらにはその後の原発事故による災害を伝える施設,とくに,「3.11伝承ロード」を構成する伝承施設での展示内容等が,見学者の「記憶」に残る展示になっているか否かについて,主に,宮城県石巻市震災遺構である「大川震災伝承館」と福島県浪江町震災遺構「浪江町立請戸小学校」の比較検討を行った。その際,第二次世界大戦の展示を利用した歴史教育が盛んであるヨーロッパの博物館の代表例ともいえるポーランドの「国立アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館」での展示と教育の関連性等を参考にした。その結果,ミュージアムや伝承施設における「負の記憶」の表現と展示には,設置者と被災地域の被災した人々との丁寧かつ長期に渡るディスコースをともなう了解を得るためのプロセスが必要であること,実際に被災した土地や遺構であるという「場所」の重要性,さらに,展示内容にはある種の「不快」感情を喚起するようような「居心地の悪さ」を有すること等が長期に渡って記憶を保持するためには有効であることが明らかになった。
URI: http://hdl.handle.net/11149/2403
出現コレクション:2021年度・2022,No.24

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