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武蔵大学総合研究機構紀要 「Journal of Musashi University Comprehensive Research Organization」 >
No.16 >

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タイトル: ハワイにおける華人コミュニティの社会・文化変容 : エスニック商会,エスニック・メディア,エスニック・イベント等の変容を中心に
その他のタイトル: Cultural Change of Chinese Community in Hawaii
著者: 中野, 克彦
発行日: 2007年6月30日
出版者: 武蔵大学総合研究所
抄録: ハワイの華人は19世紀半ばに,最初に組織的な移住がおこなわれたエスニック集団である。しかし移住当初は,排華運動をはじめとするホスト社会からの様々な圧力を経験した。華入はその後,社会階層の上昇や高学歴化などによって社会変容を遂げ,またそのなかで文化変容を経験してきた。本稿では華人とホスト社会との関係,華人と国際社会との関係に注目しながら,華人の社会・文化変容過程について,①中華総会館・中華総商会,②エスニック・メディア(中国語新聞),③中国語学校,④エスニック・イベント(ハワイ華僑百周年紀念大会・水仙祭)の変容に焦点をあてて分析を行なう。また華人の社会・文化変容と関連し,華人のアイデンティティの変容にも着目する。ハワイへの移住当初,多くの華人は地縁・血縁に基づく諸グループに分かれており,一枚岩のコミュニティを構成しているわけではなかった。しかしホスト社会の圧力に連帯して対抗せざるを得ない状況のなかで,次第に「われわれ意識」としての中国人エスニック・アイデンティティが形成される。しかしその後,第2次世界大戦,世代交代,異民族間の婚姻の増加,社会的階層の上昇等によって,20世紀半ばには華人のアイデンティティは大きく変化していく。当時の華人社会では一般的傾向として,中国語や中華文化への関心が希薄化しつつあった。こうした状況に変化をもたらそうとしたのが,ハワイ華僑百周年紀念大会や水仙祭といったエスニック文化運動であり,これらの運動を可能にしたのが,①華人およびハワイの観光産業,②華人リーダーたちのルーツの見直し,③ホスト社会の華人文化の受容といった要因である。これらのエスニック文化運動は,現在においてはホスト社会と対立的な志向をもつのではなく,ハワイの複合文化社会という環境のなかで,コミュニティの外部にも開かれた性質を帯びつつある。本稿では最後に華人の社会・文化変容の分析を踏まえ,複合文化社会やグローバル化との関係にも言及する。
URI: http://hdl.handle.net/11149/429
出現コレクション:No.16

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