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武蔵大学総合研究機構紀要 「Journal of Musashi University Comprehensive Research Organization」 >
No.16 >

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タイトル: 日本企業の危機管理体制についての一考察 : 質問紙調査による検討
その他のタイトル: A study of risk management System in Japanese Companis
著者: 高田, 朝子
横田, 絵理
発行日: 2007年6月30日
出版者: 武蔵大学総合研究所
抄録: 本論文の目的は2つある。1つは日本企業がどのように自社の「危機対応」について考えているか,その現状を明らかにし,定説となっている考え方をここで一度検証することである。第2に,現在日本企業が行っている危機管理と組織文化の関係を明らかにすることである。これらを検討するために,2002年,東京証券取引所1,2部上場企業に対し質問紙調査を行った。調査結果を分析・検討しわかったことは,これまでの危機対応は,トップダウンを定石として理解されてきたが,ビジネスの現場ではトップの方針や方向性を受け,現場はその枠内で自律的なチーム活動を展開するという,危機対応における定石を見直す動きが企業の内部で生まれつつあることである。また,組織文化と危機対応に対するとらえ方との関連性の分析によれば,自由闊達・開放性型組織因子を持った企業が,定常状態からトップと現場が大きな乖離なく同じ対応の軸足,即ち理念といったものを共有する傾向が強い。これは従来の危機管理研究にはなかった新しい危機対応のあり方として注目すべき点といえる。危機対応において,トップのリーダーシップは大きな役割を果たす。しかし,これは従来の危機管理研究で示す「俺に付いてこい」的なものではなく,社外に対しては,自社の活動や考えを公表し企業としての社会的責任を果たす広告塔としての役割であった。調査結果においても,過半数以上の企業が「企業が社会的責任を果たすこと」「社会に対して情報発信をすること」が重要であると考えていることから,今後社外に対する説明責任を果たす役割こそは,トップが積極的に担うことをより重要視する必要がある。限られた調査結果からではあるが,本研究の結果から,定常状態から,組織内の情報循環を活性化すること,即ち自由闊達・開放性型組織因子をもつ組織文化の醸成が重要であるといえよう。
URI: http://hdl.handle.net/11149/423
出現コレクション:No.16

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