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武蔵大学総合研究機構紀要 「Journal of Musashi University Comprehensive Research Organization」 >
No.16 >

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タイトル: 株主優待制度は個人株主増加対策として有効か?
その他のタイトル: Is shareholder privilege system effective to increase the number of individual investors?
著者: 松本, 勇樹
発行日: 2007年6月30日
出版者: 武蔵大学総合研究所
抄録: 企業から個人投資家に対するアプローチが盛んになっている。個人株主を増やすことは企業にとって株式持ち合い解消の受け皿になるだけでなく,中・長期的な株式保有が期待できる。また,株主数が増大することにより株式売買高の増加や流動性の向上も見込める。先進的な企業では顧客の株式保有や,株主の自社製品購入を戦略の目的としている。資産運用の中心であった定期預金の金利が低迷しているため,安定的な配当を見込んで株式の長期保有を志向する投資家が増加している。以上のような状況から企業は個人投資家増加対策を講じ始めている。個人投資家を増加させるための具体的な対策としては①株主優待制度の導入,②株式分割,③株式売買単位の引き下げ,④個人投資家に対するIR活動などがある。この中から本研究では株主優待制度について着目する。本稿では2003年から2006年の東京証券取引所第1部に上場する企業のデータを用いて株主優待制度が個人投資家を増加させるための有効な対策であるかを分析する。まず,株主優i待制度の実施によって個人投資家が増加するのか,株主優待制度を開始した企業では株主数が増加するのか検証する。次に,個人投資家は株主優待制度が株式の保有要因となっているのかを分析するために各企業の株主数増加率を被説明変数にし,優待制度の有無と他の投資決定に関係する要因を説明変数とした回帰分析を行う。最後に,優i待条件が良いものほど株主を惹きつけるのか優待利回りと株主数増加率の関係について回帰分析を行う。結果は優待制度実施企業では株主数が増加し,株主優待制度導入企業でも株主数が増加する傾向が確認された。株主優待制度の実施の有無が投資家行動の決定要因になっているのかの検証では株主優待制度を実施している企業は実施していない企業に比べて株主数増加率が高いことを示しており,株主優待制度は株主数を増加させるためには有効な制度であるといえるという結果が得られた。他方で,優待条件と株主数の増加の関係についての回帰分析の結果からは優待利回りと株主数の増加には有意な結果が得られなかった。
URI: http://hdl.handle.net/11149/410
出現コレクション:No.16

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