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武蔵大学総合研究機構紀要 「Journal of Musashi University Comprehensive Research Organization」 >
No.16 >

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タイトル: グローバル・イッシューへの取り組みとローカルな基盤 : 従軍慰安婦問題を支援するローカル・グループの事例
その他のタイトル: Globalization and Locality
著者: 武田, 尚子
発行日: 2007年6月30日
出版者: 武蔵大学総合研究所
抄録: 本稿では,日本における従軍慰安婦問題を支援しているグループの活動展開過程を分析対象として取り上げる。このグループの活動の意味について,2つの社会的文脈から検討する。1つはグローバルに論議されている「戦争と性暴力」・従軍慰安婦問題という文脈である。もう1つは,ローカルな場,つまり地域社会研究という文脈からの分析である。「戦争と女性」「戦争と性暴力」というグローバル・イッシューに取り組む活動が,どのようなローカル基盤に支えられて展開していったかについて,明らかにする。従軍慰安婦問題の補償を求める社会運動は,日本国内の法手続きに従った裁判と,「女性国際戦犯法廷」というグローバルな世論の喚起を目的とした「民衆法廷」という異なるタイプの裁判や民衆法廷を組み合わせることによって,重層的に構成されていた。本稿の調査対象であるローカル・グループは,日本国内の裁判を支える草の根グループの一つであった。このローカル・グループは東京郊外に活動の基盤をおき,学生運動から労働運動地域での諸活動,国際協力活動,従軍慰安婦問題へと長期間かけて活動を展開させてきたものである。ローカルな活動基盤形成の過程について,本稿はコアメンバーのライフ・ヒストリー等のデータに基づきながら明らかにした。2つの社会的文脈から検討することによって,ローカル・グループが参集する多様な人々の関心に応じて柔軟にイッシューをくみこんでいくという,ゆるやかな構造を有し,グローバル・イッシューとローカリティの交錯しあう場を形成し,グローバルな課題に対して,「共鳴性」を育てる,「共鳴体」として機能していたことを明らかにした。
URI: http://hdl.handle.net/11149/405
出現コレクション:No.16

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