武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2011年度・2012,No.14 >
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http://hdl.handle.net/11149/281
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タイトル: | ロウントリーの都市貧困調査 : 食品化学実験からの出発 : 近代イギリスにおける「効率性」の探求 |
その他のタイトル: | The Poverty Research of B.S.Rowntree in the UK : The Original Idea Based on the Food Chemistry |
著者: | 武田, 尚子 TAKEDA, Naoko |
キーワード: | 都市貧困 効率 食品化学 暗黙知 形式知 |
発行日: | 2012年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 本稿は, イギリスのB.S.ロウントリーが1899年に着手したヨーク第一次貧困調査の企画・構想のベースについて探る。当時, イギリスは深刻な不況にみまわれ, 如何にして「効率性」を高めるかが社会的な議論のテーマになっていた。「効率性」議論の場を積極的に形成していったのはウェッブ夫妻である。ウェッブ夫妻など社会主義者と異なる視角から, 貧困・失業問題への対策を構想したのが20世紀初頭の新自由主義者の集団で, B.S.ロウントリーは新自由主義者の集団と近しい関係にあった。B.S.ロウントリーは食品製造業経営者の家に生まれ, 20歳代に10年間食品化学の実験に携わり, 急成長する食品会社の中枢で, 製造方法や組織運営の経験を積んだ。ミクロな側面から経営効率や, 企業成長の推進力を生み出すしくみについて考察を重ねる豊富な機会に恵まれていた。このような環境で育成された緻密な数値, プラグマティックなものへの関心が, 都市貧困調査において食物の必要量, 栄養価を克明に調査することにつながっていったと考えられる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/281 |
出現コレクション: | 2011年度・2012,No.14
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