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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2024年度・第72巻 第1・2・3・4号 >

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タイトル: 新古典派経済学の方法論とレトリック…D.マクロスキーの所説に寄せて
その他のタイトル: On the Methodology and Rhetoric of Neo-classical Economics
著者: 木下, 富夫
KINOSHITA, Tomio
キーワード: t検定
社会工学
リカードの悪徳
論理実証主義
反証可能性
発行日: 2025年3月1日土曜日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 本稿ではD.マクロスキーの所論にそって「経済学の方法とレトリック」を考察した.経済学は1940年頃から古典力学(ニュートン力学)の方法論を模倣し,取り入れようとしたが成功しなかった.この方法は論理実証主義,あるいは分析哲学を基礎にしたもので,仮説-演繹-検証のサイクルを繰り返すことによって経済学は進歩してゆけるという考えであった.経済学では理論(仮説)に基づいて正確な予測を行うことは不可能であった.これは古典力学が天体の運行を極めて正確に予想できたこととは対照的であった.これに関してマクロスキーは,「経済学者は統計学の検定論を用いて,自然科学と同様の検証作業を行っていると考えているが,これは誤りである」と両断する.予測を行うには的確な「理論モデル」が必要である.しかし満足できる正確さで予測できる経済理論モデルは皆無である.ケインズでさえ株式投資で大きな損失を出したという.これからマクロスキーは社会工学(あるいは経済政策)の有用性に疑問を呈する.そして経済学者の提言が信頼できるか否かには十分な注意を払う必要があるともいう.古典力学あるいは自然科学の方法論は経済学に適用できていない.とすれば,経済学者たちはいかなる方法で経済現象の客観的認識を行っているのであろうか.マクロスキーは経済学には特有のレトリックが存在しているとみる.そして経済学者の用いるレトリックは,メタファーやアナロジーの利用,それに法学のレトリックも借用しているという.
内容記述: 論文
Articles
JEL Code: B41
URI: http://hdl.handle.net/11149/2694
出現コレクション:2024年度・第72巻 第1・2・3・4号

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