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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2008年度・2009,No.11 >

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タイトル: 境界の言葉 : 永井潜著『医学と哲学』について
その他のタイトル: Discourses across Borders : About Sen Nagai's Text 'Igaku To Tetsugaku'
著者: 石井, 幸夫
ISHII, Yukio
発行日: 2009年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 本稿の目的は,戦前日本の優生学を牽引した人物としてよく知られている永井潜が語った言説の秩序の解明に向けた導入を行うことにある。 永井の語った言説に関しては近年多くの優生学研究者によって解明が進んでおり,とりわけそこにおいて「何が語られたのか」という問題に関しては多くのことが明らかになっている。しかし,私見では,まだ永井の多くの重要な言説が「何が語られたのか」という問題の水準において未解明のままであり,さらにそれらが「いかに語られたのか」という(まさに言説研究の中心をなす)問題に関してはほぼ完全に未解明と言ってもよい状態が続いている。本稿は,こうした欠落をほんのわずかではあるが埋め,優生学の言説研究への導入を行うべく,永井の数あるテクストの中で,永井が1908(明治41)年に出版した『医学と哲学』というテクストを集中的に考察する。このテクストは永井が著した最初のテクストであり,また永井がその結論を生涯にわたって執拗に反復し続けたテクストでありながら,永井における優生学の展開に対するその意義はおろか,断片的な内容さえほとんど紹介されていない。永井の優生学言説の解明に取り組むには,このテクストを何よりもまず読み解いておかねばならない。 本稿は,まず永井の『医学と哲学』というテクストの内容を紹介し,次いでこのテクストが永井の言説秩序において持った意義を素描的にではあるが明らかにし,最後に永井の言説秩序の本格的解明に向けて考察すべき問題を提示する。
URI: http://hdl.handle.net/11149/264
出現コレクション:2008年度・2009,No.11

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