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2008年度・2009,No.11 >
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http://hdl.handle.net/11149/262
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タイトル: | 「月島調査」データの2次分析 : 駄菓子屋の社会地図と権田保之助の民衆娯楽研究 |
その他のタイトル: | Secondary Analysis of Qualitative Data : Rethinking the Social Maps of 'Tsukishima Research' |
著者: | 武田, 尚子 TAKEDA, Naoko |
キーワード: | 2次分析 月島調査 労働者 娯楽研究 中間層 |
発行日: | 2009年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 本稿は,1918~20年に実施された内務省衛生局「月島調査」のデータを用いて,質的調査データの2次的利用・2次分析の方法を検討する。また,「月島調査」データに,「未発表データ・資料」があることと,その「未発表データ・資料」の内容も紹介する。 本稿で,2次分析の対象として利用するのは,「月島社会地図 第21図 駄菓子屋,ミルクホール分布図」である。これを歴史的一次史料として活用する。この社会地図を作成したのは,調査員の一人であった権田保之助という人物である。日本の民衆娯楽研究の草分けといわれる人物で,のちに映画研究の第一人者となり,戦後はNHK理事もつとめた。本稿では,第21図を用いながら,民衆娯楽研究を得意としていた権田によって,月島の空間構造・社会構造のどのような側面が明らかにされたのか,また逆に権田に欠けていた視点とは何かについて考察する。 権田に欠落していた視点は,のちの権田の娯楽研究の性格と通底している。また,日本における旧中間層の研究の特徴と共通する点を見出すことができる。本稿の第21図の2次的利用の実例によって,日本における中間層研究を再考し,日本の近現代の社会科学分野における労働者生活研究の分析視角を見直することにもつながる。質的調査データの2次的利用・2次分析は多様な可能性をふくんでいることが理解できるであろう。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/262 |
出現コレクション: | 2008年度・2009,No.11
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