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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2007年度・2008,No.10 >

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タイトル: 親族研究の消滅はあったのか : 日本の教科書の記述から
その他のタイトル: Restoring Kinship Studies to Japanese Anthropology Textbooks
著者: 小川, 正恭
OGAWA, Masayasu
発行日: 2008年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: しばらく前から文化人類学者の間では,親族研究が衰退ないし消滅したという話が広まっていた。2003年の研究大会でも,教科書における親族研究に関する記述は減少しつつあるとの指摘がなされていた。だが,研究者たちは文化人類学の概説書や入門書などの編集に際して,その理由を示した上で親族の章を省略していたのだろうか。1991年以降の主な教科書と思われるものを取り上げ,欧米で親族研究の終焉と復活が語られる際に登場する2人の研究者(シュナイダーとニーダム)への言及の有無を主な手がかりとして,この問題を検討した。その結果,欧米では親族研究の衰退が1970年代中頃から20年間ほどの期間とされるのに対し,日本では教科書で見る限りは1995年から2005年にかけての約10年間に似たような事態が生じていたことが認められた。ただし,欧米の研究動向にかなり遅れながら追随し,代表的な2人による批判が明確に述べられないままに親族研究の扱いは減少していたが,それでも消滅にはいたらなかった。そして,2005年頃からの復活は,親族研究の減少期に比べれば西欧との「時差」もそれほどない対応であり,問題点への言及が行われつつ始められているようである。しかし,この間の教科書には親族研究に対するあいまいな態度が多く見られ,親族を取り扱わない場合にもとくに説明はなされていなかった。
URI: http://hdl.handle.net/11149/257
出現コレクション:2007年度・2008,No.10

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