武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2022年度・2023,No.25 >
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http://hdl.handle.net/11149/2484
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タイトル: | 〈我暦→ガレキ→我歴(がれき)〉展と〈6本の年輪〉展 ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展は阪神・淡路大震災からの課題をどう映したか(その2) |
その他のタイトル: | Two Disaster Heritage Exhibitions : The Preservation Project of the Fukushima Disaster Heritage and Issues from the Great Hanshin-Awaji Earthquake (Part 2) |
著者: | 矢田部, 圭介 YATABE, Keisuke |
発行日: | 2023年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 阪神・淡路大震災後に災害の継承について提示された課題は,東日本大震災の継承を目指すふくしま震災遺産保全プロジェクトの実践に,どのように響いたか。本稿は,この問いに答えることを目的とする。ふくしま震災遺産保全プロジェクトは,歴史資料ネットワークの枠組みを前提に,そこで周縁化された物資料に焦点して活動を始めた。プロジェクト最終年度に開催された「我暦→ガレキ→我歴(がれき)」展は,東日本大震災における地震や津波や原子力発電所事故の暴威が,日常の断絶をひきおこし,思ってもみない未来の到来をまねいたという歴史像を提示している。これは,歴史像形成の担い手としての地域の人々を強調こそしないものの,地域の災害前と災害後を統一的にとらえる歴史像の形成という歴史資料ネットワークの課題に対する,物資料を用いた回答だと位置づけることができる。さらに,直後に開催された「6本の年輪」展においては,「アートで伝える 考える 福島の今,未来」展との会場の共有によって,こうした歴史像が維持されたまま,その歴史像の曖昧化・相対化と,歴史像形成という手法そのものの相対化がみられ,[記憶・歴史・表現]フォーラムの提示した課題への接近がみてとれる。なお,本稿は,阪神・淡路大震災後に提示された災害の継承に関する課題という観点から,ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展を読み解くことを目指す研究の後半部にあたる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/2484 |
出現コレクション: | 2022年度・2023,No.25
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