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2005年度・2006,No.8 >
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http://hdl.handle.net/11149/245
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タイトル: | 記憶の共有可能性 : M.アルヴァックスにおける集合的記憶論の再構成 |
その他のタイトル: | Possibilty of Sharing Memory : M.Halbwachs's Reconstruction of the Concept of "Collective Memory" |
著者: | 翁川, 景子 OIKAWA, Keiko |
発行日: | 2006年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 本稿は,M. アルヴァックスの集合的記憶論におけるテーゼである「記憶の再構成」という観点を,記憶の共有可能性へ理路に開かれたものとして,現象学的社会学の立場から理論内在的に再解釈することが狙いである。 本稿では,記憶の「枠」と「集合的記憶」と「歴史」との関連を,デュルケムにおける記憶論における示唆を踏まえて考察する。デュルケムにおける記憶論で着目されるべき点は,類比的方法によって時間的隔たりのある表象同士が接近しあう可能性を指摘したことである。アルヴァックスによれば,それ自体では記憶とはいえない枠や歴史は,われわれの現在の行為と出会い,われわれの生の関心に位置づけ直され,類比的に接近することによって,あらたな集合的記憶を生成させる。これが集合的記憶の再構成というテーゼの内実である。けれども留意されたいのは,過去の記憶が現在の文脈によって構築されるとしても,構築される記憶の基盤は,間主観的に体験されてきた実在した過去であるという点である。本稿はこれを踏まえたうえで,記憶の再構築というテーゼが,自らが体験した過去を前提としつつ,自らが体験していない過去の出来事や他者の記憶を共有する可能性へと開かれていることを論じる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/245 |
出現コレクション: | 2005年度・2006,No.8
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