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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2021年度・2022,No.24 >

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タイトル: 歴史資料ネットワークと[記憶・歴史・表現]フォーラム―ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展は阪神・淡路大震災からの課題をどう映したか(その1)―
その他のタイトル: Historical Materials' Network and [Memory, History and Representation] Forum: The Preservation Project of the Fukushima Disaster Heritage and Issues from the Great Hanshin-Awaji Earthquake (Part 1)
著者: 矢田部, 圭介
YATABE, Keisuke
発行日: 2022年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 阪神・淡路大震災後の,災害の継承に関わる実践では,どのような課題が提示されていたのだろうか。本稿では,東日本大震災の継承に関わるふくしま震災遺産保全プロジェクトの実践に,阪神・淡路大震災からの課題がどのように反映されているかを検討するための前提として,この問いに答えることを目的とする。一方で,歴史資料ネットワークの活動をふまえて奥村弘が提示するのは,震災をそこに位置づけられるような震災前と震災後を統一的にとらえた地域の歴史像を被災者自身が研究者とともに形成することであった。他方で,負の記憶をめぐる思想の検討をふまえて,[記憶・歴史・表現]フォーラムの笠原一人や寺田匡宏が提示するのは,過去の出来事としての震災に万人が自由に主体的に関与して,一義的に規定されない災害の記憶を分有する可能性を模索することであった。これらのふたつの課題は,目指すこと──歴史像の形成か記憶の分有か──とその担い手──研究者・被災地の人々か万人か──という点で,対極的な位置にある。こうした対極的な立場は,各々の,災害そのものを示す資料の位置づけと,その保全を担うミュージアムの位置づけのちがいにもつながるだろう。東日本大震災の継承を目指すふくしま震災遺産保全プロジェクトには,こうした阪神・淡路大震災後に提示された対極的な課題が,反映されることになるのである。なお,本稿は,阪神・淡路大震災後に提示された災害の継承に関する課題という観点から,ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展を読み解くことを目指す研究の前半部にあたる。
URI: http://hdl.handle.net/11149/2406
出現コレクション:2021年度・2022,No.24

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