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2021年度・第69巻 第1号 >
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http://hdl.handle.net/11149/2360
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タイトル: | 経済的単一体説と公正価値測定―段階取得の会計処理の根拠に着目して― |
その他のタイトル: | The Economic Unit Concept and Fair Value Measurement: Focus on the Basis of Accounting for Step Acquisitions |
著者: | 山下, 奨 YAMASHITA, Sho |
キーワード: | 段階取得 経済的単一体説 公正価値測定 非支配株主持分 従来投資 |
発行日: | 2021年12月23日 |
出版者: | 武蔵大学経済学会 |
抄録: | FASB(1991)では,経済的単一体説のもとで,段階取得における従来投資の再測定が提案されていた.一方で,FASB(2007)等では,この段階取得における従来投資の再測定は,経済的単一体説ではなく,支配と公正価値測定原則によって導かれている.本稿では,FASB(2007)と異なる根拠を採っているように見られる,FASB(1991)における経済的単一体説に基づく段階取得における従来投資の再測定の根拠を再検討し,段階取得における従来投資の再測定をめぐるFASB(1991)とFASB(2007)等の根拠の関係等について検討している.本稿では,経済的単一体説と親会社説の差異を表すといわれる非支配株主持分への焦点は,段階取得における従来投資の測定とは直接関係しないことを示している.むしろ,100%段階取得と100%未満段階取得において100%一括取得をベンチマークとして資産負債を認識することになるFASB(1991)の経済的単一体説は,支配獲得時において企業集団全体の資産と負債(およびそれらの差額としての資本)が重視されており,全部連結を示唆する支配概念に加えて,暗黙裡に公正価値測定を含んでいることを指摘している.さらに,本稿では,経済的単一体説に基づく段階取得の従来投資の再測定の検討を通じて,FASB(2007)等の公正価値測定原則が突然出てきたものというよりも,FASB(1991)の経済的単一体説に萌芽が見られ,FASB(1991)の経済的単一体説のもとで暗黙裡に採用されていた公正価値測定が,FASB(2007)等の公正価値測定原則としてより広範に自律的に機能することになったと考えられることを指摘している. |
内容記述: | 論文 Articles JEL Classification Codes : M41 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/2360 |
出現コレクション: | 2021年度・第69巻 第1号
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