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2004年度・2005,No.7 >
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http://hdl.handle.net/11149/234
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タイトル: | 親密性と汝指向 : シュッツの<形式的な概念>が示唆すること |
その他のタイトル: | Intimacy and Thou-orientation:A Few Implications of Schutz's "Formal Concept" |
著者: | 矢田部, 圭介 YATABE, Keisuke |
発行日: | 2005年3月10日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 本稿の目的は,シュッツの匿名性/親密性についての議論を,小川による先行研究を批判的に検討しなおしながら再整理し,その上で,これにかかわる汝指向やわれわれ関係といったシュッツの形式的概念の含意を明らかにすることである。 小川のシュッツ理解は,匿名性/親密性概念のなかに,機能的類型のもつ匿名性と知られていないという意味の匿名性という二つの独立した側面を見ること,そして匿名性/親密性概念を彼ら指向/汝指向概念と等置することに特徴がある。 しかし,シュッツの議論の内在的な再検討によれば,まず第一に,匿名性/親密性概念は,他者についての類型的な経験の性質を示すものであり,他者を一般的で標準化されたものとして経験するか,個性的な個体として経験するかという,一貫した軸をもつことが明らかになる。また,第二には,シュッツの匿名性/親密性概念は,彼ら指向/汝指向概念とは別の水準の概念であることが明らかになる。彼ら指向という概念は,多様な程度の匿名性/親密性によって特徴づけられる類型的な他者の経験にかかわるものであるのに対し,汝指向という概念は,とくに対面状況における類型的な他者経験の前提として要請される,類型的な内容を欠いた,それゆえ匿名性/親密性という性質も欠いた,形式的な他者関係にかかわるものなのである。 この形式的な他者関係にかかわる汝指向という発想は,シュッツが,親密な経験の条件として,また類型化の論理的前提として要請したものであるが,同時に,この形式的概念のことを,シュッツは,人間としての承認をもたらす場とみなしていたとも考えることができるのである。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/234 |
出現コレクション: | 2004年度・2005,No.7
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