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2003年度・2004,No.6 >
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http://hdl.handle.net/11149/228
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タイトル: | スウェーデン「国民高等学校」 : 形成と変化 |
その他のタイトル: | "Folkhogskola" in SWEDEN : Its formation and change |
著者: | 大村, 好久 OOMURA, Yoshihisa |
発行日: | 2004年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | 成人教育の世界はその対象の現実から,義務教育とは異なって著しく多様なものであり,20世紀後半からは西欧社会を中心に“生涯学習life-long learning”としてとらえられるようになってきてもいる。成人教育・生涯学習の展開に関して,西欧社会,なかでも北欧,スウェーデンにおける進展はとくに目立ち,量・質ともに群を抜いている。スウェーデン社会に認められる成人教育・生涯学習のそのような現実が,どのような歴史と機構のなかで存続し得ているのか,なかでも独特な存在として注目される,“国民高等学校folkhogskola”について理解するのがこの論文の課題である。それは,学校教育制度の一翼として個人と社会を緊密に結び,社会変化と個人形成に強く関与している。そこで今回は,1.「国民高等学校」の形成において,19世紀後半に創設された国民高等学校の成立背景とその後20世紀の社会変化にともなって形成・発展したその様相を把握し,2.国民教育としての「国民高等学校」では,そこに根差す独特な教育哲学,形成教育bildningが,それに見合う教育方法,教育環境を醸成して,年齢・分野ともに幅広い国民教育,まさに成人教育・生涯学習を展開してきた実態を見る。こうした理解にもとづいて,3.今日の「国民高等学校」では,スウェーデンの社会変革に対応して1990年代に入り,“3つの役割”の伸長・充実のもと再編強化される国民高等学校の動向を捉えるとともに,学校教育制度としてのその運営機構を詳らかにする。スウェーデンの国民高等学校が独自の教育哲学,人間観に立つがゆえに,変化する時代や社会の動きにしなやかに対応し得てきた事実を,論述から十分に理解することができるだろう。このような背景と蓄積をもって,国民高等学校のなかには今日,海外諸国にも進出し,とりわけ開発途上国援助に沿う方向で同種学校の建設協力にかかわる事例が現れている。スウェーデンに関するこの領域の研究は,わが国において未着手の状態にある。本稿の理解,および「国民高等学校」がスウェーデン社会の歴史の中に成立してきたことの理解のために,今回とくに,「国民教育に関するスウェーデン年表」を付して手掛りとした。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/228 |
出現コレクション: | 2003年度・2004,No.6
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