武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2020年度・第68巻 第1号 >
このアイテムの引用には次の識別子を使用してください:
http://hdl.handle.net/11149/2200
|
タイトル: | 労働時間の市場均衡モデルとマーシャル弾性値の推計 |
その他のタイトル: | A Market equilibrium model of working hours and an estimation of Marshallian elasticity |
著者: | 木下, 富夫 KINOSHITA, Tomio |
キーワード: | 労働時間供給曲線 労働時間需要曲線 契約曲線 マーシャル弾性値 |
発行日: | 2021年1月25日 |
出版者: | 武蔵大学経済学会 |
抄録: | 本稿では「労働時間と賃金率の市場均衡モデル」を提示し,それに基づいてマーシャル弾性値の推計を行う.モデルの要点は以下のようにまとめられる.労働時間の市場均衡点は,労働時間供給曲線と労働時間需要曲線の交点上にではなく,それを通過する「賃金労働時間契約曲線」上に位置する.さらに付言すれば,均衡点の位置は労働時間供給曲線上の一点ではなく,あるいは労働時間需要曲線上の一点でもない.もし本モデルの結論が正しいとすれば,これまで多くの実証論文が前提としていた仮説,すなわち「労働時間は,労働時間供給曲線上の一点において,労働者によって決定される」は修正されねばならないであろう.マーシャル弾性値の推計については以下のようにまとめられる.マーシャル弾性値は「賃金労働時間契約曲線」の賃金率弾性値から計測される.なぜなら賃金率が上昇するとき,均衡点は契約曲線にそって上昇するからである.推計に用いたデータは,「賃金構造基本統計調査」で,これは一種の“matched employer-employee data”である.本データは企業が回答したものであり,賃金所得と労働時間がセットになっている.それゆえこれらの数値は賃金労働時間契約曲線上の均衡点を示すものと解釈できる.賃金率弾性値(マーシャル弾性値)の大きさは30才以降では安定した大きさであり,大卒男子は-0.16~-0.19,大卒女子は-0.10~-0.14,高卒男子は-0.22~-0.26,高卒女子は-0.18~-0.22 である.性別で比較すると女性の弾性値がやや低い.また学歴別で比較すると,大卒の弾性値がやや低い. |
内容記述: | 論文 Articles JEL Classification Codes: J22 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/2200 |
出現コレクション: | 2020年度・第68巻 第1号
|
このリポジトリに保管されているアイテムは、他に指定されている場合を除き、著作権により保護されています。
|