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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2002年度・2003,No.5 >

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タイトル: 社会政策と価値意識 : イングルハート指標による社会保障分野を中心とした社会政策意識の計測
その他のタイトル: Social Policy and Post Materialism : Measuring Political values by Inglehart's scale
著者: 小渕, 高志
OBUCHI, Takashi
発行日: 2003年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 本稿の課題は人々の社会政策意識を計測することにある。政策意識を問題にした調査から意識変数を構成することにより,イングルハート指標では扱うことの難しかった環境保全と経済成長といった福祉国家の持続可能性を追求する政策課題への意識を測定する尺度を独自に作成した。分析では,福祉国家をめぐる議論として以前からある「大きな政府」か「小さな政府」かといった社会政策における規模をめぐる争点をとりあげた。経済の成長を優先するには規制緩和を促進する「小さな政府」が望まれる一方で,環境や社会的リスクの軽減に目を向けた場合は企業活動や市場に対する政策的介入が必要となり,「大きな政府」はさけられない。分析の結果は,物質主義・脱物質主義という双方の価値志向にある人々の特徴が,政府の役割についての意見に対して顕著に現れた。たとえば,物質主義的な価値を志向する人々にとって,国家は重荷であると考えられている。そのため,かれらが社会政策に望むことは政府による負担を軽減ないし除去し,税金を減らすことである。よって,かれらは社会政策において政府の責任を重視せず,いわば小さな政府を目指す。それとは逆に,脱物質主義的な価値を志向する人々は,政府の役割を積極的に支持し,そのための増税を許容する態度を示す。このように,物質主義的な価値を志向する人々とは反対に,脱物質主義的な価値を志向する人々は大きな政府を目指すといえよう。
URI: http://hdl.handle.net/11149/216
出現コレクション:2002年度・2003,No.5

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