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2001年度・2002,No.4 >
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http://hdl.handle.net/11149/212
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Title: | 二つの<レリヴァンス> : シュッツとエスノメソドロジー研究 |
Other Titles: | Two "Relevances" : Schutz and Ethnomethodological Studies |
Authors: | 矢田部, 圭介 YATABE, Keisuke |
Issue Date: | 22-Mar-2002 |
Publisher: | 武蔵社会学会 |
Abstract: | 本稿では,シュッツの現象学的社会学とエスノメソドロジー研究とに共有されているレリヴァンスという語が,それぞれの議論のなかでどのような位置を占め,どのような機能を果たしているかを明らかにすることをとおして,両者のあいだの連続と断絶のひとつの側面を提示することを試みる。フッサールの「主題-地平」構造に関する議論を引き継ぐシュッツのレリヴァンス論には,二つの方向性をみることができる。ひとつは,トピック・解釈・動機の連動メカニズムや状況へのかかわりの区分などと呼ばれる主題の系列であって,レリヴァントであることに焦点化された議論である。もう一方は,類型とそれを規制する論理と呼ばれる地平の系列であり,相対的にレリヴァントではないことに焦点化された議論である。そして,さらにシュッツは,これらの中間領域として,相互行為の問題系を示唆している。エスノメソドロジー研究は,現象学的社会学から見ると,事実上,この相互行為の問題系に焦点した研究であるように思われる。しかし,エスノメソドロジー研究でのレリヴァンスという言葉は,状況とふるまいの相互反映性を示し,相互行為の自律性と閉鎖性を強調するものとして使用される。そして,このことによって,エスノメソドロジー研究は,シュッツがレリヴァンスという言葉を用いて行った研究の二つの方向性を,相互行為を論じる際に不必要な外部へ向かう議論として,拒否することになるのである。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/212 |
Appears in Collections: | 2001年度・2002,No.4
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