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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2001年度・2002,No.4 >

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タイトル: 不況下の労働市場における若年者の雇用問題 : フリーターという<自己実現>の隘路
その他のタイトル: Employment Problems of the Youth in Depression Labor Market : Bottleneck of Self-realization about the youth
著者: 小渕, 高志
OBUCHI, Takashi
発行日: 2002年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 従来の議論では,フリーターは親に経済的依存を続ける「パラサイト・シングル」の代表者というイメージが強く,「甘え」や「モラトリアムの再延長」といったステレオタイプの議論に終止してしまいがちだった。本稿では若者の就業問題としてフリーターを捉え,若者と労働市場をめぐる問題を,青年文化論と労働経済的視点から考察した。そのための問題設定を,若者が大きな関心を寄せる職業を通じての自己実現という文脈のなかで行なわれる就業行動においた。実際には正社員としての就職ができなかったのでフリーターをするという若者が多いことから,フリーターを単なるモラトリアムでひとくくりにせず,失業なき労働移動の実現に向けた具体的な解決策を検討すべき段階にきている。その理由は,かれらの労働力の質が正規従業員とは異なっている点から,正規雇用とは分断された労働市場にとどまり続けているという現実にある。そうした意味では,労働市場が2つに分断され求人と求職とのミスマッチが起きているとも指摘できる。今後はこれらの市場間の移動を円滑にするような労働政策が必要であり,技能形成への啓発や就労インセンティフを高めるプログラムを通じて,かれらを正規雇用の市場に移行させることが求められる。本稿はその可能性をさぐる小さな試みであった。
URI: http://hdl.handle.net/11149/208
出現コレクション:2001年度・2002,No.4

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