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2018年度・第66巻 第2・3・4号 >
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http://hdl.handle.net/11149/2046
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タイトル: | 府県の総人口・人口集中地区人口・人口移動―1960-2015― |
その他のタイトル: | Total Population・Population of DID・Population Movement of Each Prefecture ―1960-2015― |
著者: | 今井, 勝人 IMAI, Katsuhito |
キーワード: | 人口集中地区人口 人口移動 人口の自然増加・社会増加 都市化 人口の一極集中 |
発行日: | 2019年3月22日 |
出版者: | 武蔵大学経済学会 |
抄録: | 日本の人口問題の焦点が人口減少と人口の高齢化にあることはいうまでもない.他方で,府県,市町村レベルでみれば,その始まりの時期は異なるものの,人口減少もその高齢化も多くの府県,市町村が経験してきたことである.この二つの問題は地方財政に対して大きな影響を及ぼす.本稿はこの2つの問題のうち人口減少のほうに焦点をあて,1960-2015年間の地方の人口減少について検討する.日本全体でみたとき人口減少の最大の理由が出生率の低下であることはいまでもなく,地方の場合にもそれは当然当てはまるが,地方の人口減少には人口移動,その結果としての人口集中地区(DID)人口の増加(都市化の進展)が大きく関係している.本稿が地方の人口減少を人口集中地区人口,人口移動という2つの計数と関連させ人口集中地区人口,人口移動という2つの計数と関連させて検討する理由はかかる点にある.本稿の暫定的な結論として,次の諸点が指摘できる.①人口減少が始まった時期は府県によって相当異なる.すでに1960年に人口がピークに達していた府県が8県にものぼるのに対し,他方でこの8県以外の人口減少県で人口減少が始まるのが1980年代以降であり,両者の間にはかなりの時間差がある.②2010-2015年間に人口増がみられた府県でも,その自然増加率は高くなく,その府県の人口増の多くが社会増に支えられている.③全国レベルでは人口の東京圏一極集中ということが強調されるが,個々の府県をみれば多くの府県で人口の一極集中が進んでいた.④北海道における札幌,東北地方における宮城・仙台,九州地方における福岡県,福岡市のように,地方圏レベルでみても同様に一極集中が進んでいた.⑤全国レベルでDID人口の全人口に占める割合をみると,その増加スピードは低下しており,DID人口・人口移動でみた都市化現象の進展も限界に近づいている.⑥人口増加率,DID人口増加率でみると,特別区部・政令市間の違いはかなり大きい.他方で特別区部・政令市は他の県庁所在市に比べ,他府県からの流入人口割合が高い傾向がある.⑦特別区部・政令市のDID人口が市人口全体に占める割合は特別区部,大阪市ですでに100%に達しているし,他の多くの政令市でも90%を超えている.⑧東日本大震災・福島第一原発事故の影響が大きいこと. |
内容記述: | 研究ノート Notes |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/2046 |
出現コレクション: | 2018年度・第66巻 第2・3・4号
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