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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2000年度・2001,No.3 >

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タイトル: いまここにある問題 : インターネットで増殖するジレンマ
その他のタイトル: Clear and Present Problems in Cyberspace : A Growing Dilemma on the Internet
著者: 工藤, 浩
KUDO, Hiroshi
発行日: 2001年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: インターネット上を流通する違法・有害情報について,プロバイダの自主規制のみで対応するのではなく,当局による取り締まりを望む声が高まっている。それを受けて,各省庁とも,具体的な法規制に乗り出している。本稿では,違法・有害情報のなかでも,とくに名誉毀損表現を取り上げて論じる。なぜなら,名誉毀損の立件は,他の違法・有害情報と違い,被害者の親告によるので,第三者によって客観的に判断できる基準を作りにくいという面があるからである。しかも,インターネットの特性を鑑みると,インターネット上を流通する違法・有害情報のすべてを監視できるのかという問題も生じる。また,違法・有害情報除去の名目で,国や自治体に民事介入の口実を与え,その結果,検閲行為が行われたり,表現の自由,思想の自由等が侵害される虞もある。さらに,プロバイダが,被害者の被害拡大を迅速に防止しようとして,当該表現を被害者の了承も得ないうちから削除してしまうと,かえって,「証拠隠滅,事実の揉み消し」という疑いが掛けられたりする。被害者側にしてみれば,加害者を提訴しようとしても,事前に削除されてしまったら,証拠となるはずの表現を失うことになる。被害者の被害の拡大防止か,加害者の責任追及か。その狭間にあって,プロバイダと被害者は山積する諸問題と増殖するジレンマに悩まされるのだが,本稿では,そうしたジレンマに直面した場合,どのような選択をすれはよいのか,実際に我が国で裁判になった事例を中心に検討した。
URI: http://hdl.handle.net/11149/196
出現コレクション:2000年度・2001,No.3

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