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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2016年度・2017,No.19 >

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タイトル: 多メディア環境下のメディアと社会的機能 : ラクイラ地震におけるメディアと市民
その他のタイトル: What to Understand from the LʼAquila Trial
著者: 小田原, 敏
ODAWARA, Satoshi
発行日: 2017年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: 2009年4月9日,イタリア・ラクイラで大きな地震が発生した。犠牲者は309 名と多く,地震直前に政府市民保護局が出した「安全宣言」が被害を大きくしたとして,この記者発表に関わった行政官,学者ら7 人が起訴された。1 審は全員有罪,2 審は行政官のみ有罪の判決だった。地震前後の新聞,当該テレビニュース,現地の識者(大学研究者),そしてラクイラ市民へのインタビューでわかったことは,日本で報道されていた,学者の地震予知失敗が起訴理由ではなかったこと,インターネットも含め多くのメディアがあったにもかかわらず,不安を抱えていたラクイラ市民に有益な情報は皆無であったこと,そして,安全だと行政官が発表したことをそのまま「ラクイラ市民には朗報だ」と報じたテレビは,安全宣言のニュース報道が被害を大きくした可能性があり,この点で責任を問われた7 人と根本的に変わりがない。多様なメディアがどのような性質の情報を流しているのか,再考する必要がある。
On April 6, 2009 a large earthquake occurred in LʼAquila (Italy) causing 309 victims. For the death of 29 of them 7 experts (4 scientists, 2 Civil Protection Directors, 1 seismologist) were accused who announced “Safety Declaration” a few days before the main shock. In October 2012 all experts were found guilty. In 2014 the General Court has changed the judgment and only the Vice President of Protezione Civile Department was found guilty. It was reported differently in Japan. The reason for being indicted was not the failure of earthquake prediction. Despite having lots of media, there was absolutely no useful information for LʼAquila citizens. Moreover “Safety Declaration” news may have increased the number of victims. Eventually television may also be guilty, because in the diverse media environment, it is necessary to consider not the amount but the source of information.
URI: http://hdl.handle.net/11149/1913
出現コレクション:2016年度・2017,No.19

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