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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2009年度・第57巻 第1号 >

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タイトル: アジアの住宅市場における海外資本流入の影響 : 為替政策と資本規制の観点からの考察
その他のタイトル: Determinants of Asian Mortgage Market Booms: Foreign Capital Inflows, Foreign Exchange Systems and Capital Controls
著者: 大野, 早苗
発行日: 2009年8月10日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 国際的な過剰流動性が世界の住宅ブームとその崩壊に作用したとの指摘があるが,アジアにおいても中国を筆頭に住宅価格の高騰・急落現象が起こっている。本稿ではアジア7 カ国を対象に海外資本流入が住宅市場に与える影響を検証するためにパネル分析を行い,さらに為替政策や資本規制という観点から実証結果を吟味した。 海外資本がアジアの住宅市場に流入する経路として直接的経路と間接的経路があり得るが,中国のように事実上のドル・ペッグ制,厳格な資本規制を実施している国では間接的経路を経て海外資本が住宅市場に流入する可能性が考えられる。ただし,本稿の実証分析では中国のみを分析対象とした場合のほうが直接的経路による海外資本の影響が顕著であるとの結果が得られた。 その背景として為替投機の手段としての住宅投資という考え方があるかもしれない。中国の住宅投資は非居住者にとって相対的に制約の緩い投機対象となっており,住宅価格の将来の値上がり期待に加えて人民元高期待を背景に海外資金が住宅市場に流入していた可能性がある。 アジア各国は互いに密接な経済関係にあるが故に,アジア域内の国,特にプレゼンスの大きい中国の為替政策が周辺諸国の為替政策に無視できない影響を与えていることが予想される。そうすると,人民元高予想は香港やマレーシア,シンガポールなど,公式上,あるいは事実上のドル・ペッグ制を採用している国における為替政策の変更を連想させていたことから,周辺諸国の通貨,あるいは住宅市場に対しても投機的資金が流入していた可能性があり得る。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1430
出現コレクション:2009年度・第57巻 第1号

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