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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2009年度・第57巻 第3・4号 >

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タイトル: 『資本論』第Ⅱ部「資本の流通過程」成立過程の一齣 : 「トゥックに向けられた疑問」に焦点をおいて
その他のタイトル: On the Scene in the Writing Process of “Das Kapital” Bd. II, with Reference to the ‘Question’ about Tooke’s Opinion
著者: 小林, 賢齊
発行日: 2010年3月10日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 『剰余価値学説史』に組み込まれた「岐論。ケネーの経済表」で,マルクスは資本の流通過程分析に本格的に着手するが,そこで,彼は,「資本家は流通に投入するよりも多くの貨幣を,どのようにして常に引上げるのか」という,トゥックの論敵によってトゥックに向けられ,そしてトゥックによってもその他の人々によっても解答が与えられてこなかった「疑問」を,初めて問題として提示する。マルクスは,ひとまずその答えを「エピソード。貨幣の還流運動」で出していくのであるが,その後の執筆となる『資本論』第Ⅱ部「資本の流通過程」論の中で,この問題はどのように提示され,処理されていくのであろうか。彼はその最後の手稿である第8 稿でも,この問題に「今一度だけ立ち戻りたい」として,そこでも問題を概括しているほどである。 本稿では,第Ⅱ部の手稿の多くが刊行されたのを機に,主として第1 稿と第2 稿によって,第Ⅱ部成立過程でのこの問題の展開を,やや煩瑣ではあるが,あとづけてみたい。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1362
出現コレクション:2009年度・第57巻 第3・4号

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