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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2006年度・第54巻 第2号 >

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タイトル: 連続型世代重複モデルにおける貨幣の中立性について
その他のタイトル: On Superneutrality of Money in an Overlapping-generations Economy
著者: 吉田, 真理子
発行日: 2006年11月30日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 本稿では,名目貨幣残高の増加率の変化が,経済の資本蓄積,産出量および経済厚生に影響を及ぼすか否かという貨幣の超中立性の成立を,二つの異なる枠組みの下で検討する。 二つのモデルはともに取引仲介手段としての貨幣サービスを家計の効用関数の変数として導入することにより,家計の効用最大化行動から財と貨幣の需要関数を導くというミクロ的基礎をもつマクロ動学モデルである。二つのモデルの相違は,任意の期の取引がつねに同じ世代の主体間に限られる経済を前提とするか,または若年世代から老年世代までの異なる世代間取引をも許容する経済を前提とするかの点にある。前者は所謂Ramsey 型の最適成長モデルであり,後者はBlanchard(1985)やWeil(1988)によって定式化された連続型世代重複モデルである。 結果としては,異なる世代間の取引が許される世代重複モデルにおいては,貨幣の超中立性は成立せず,最適成長モデルでは貨幣の超中立性が成立することが確認される。この帰結は,一般に経済主体は若い世代で得た富を価値貯蔵手段としての貨幣で貯蓄し,老年になるとこの貯蓄を取り崩して生活すると考えるならば,世代重複モデルでは取引仲介手段としての貨幣取引に加えて老年世代と若年世代間での価値貯蔵手段としての貨幣取引が分析されることによる。よって,実物変数への貨幣政策の効果を分析する際には,同一世代間だけでなく異なる世代間取引をも含む連続型世代重複モデルが有用であることが確認できる。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1282
出現コレクション:2006年度・第54巻 第2号

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