DSpace コレクション: 2005-03-102005-03-10http://hdl.handle.net/11149/1532024-03-29T00:32:52Z2024-03-29T00:32:52Z在沖県域紙が提示する「沖縄」像 : 「米兵による少女暴行事件」との関連で桑江, 友博http://hdl.handle.net/11149/2382018-07-17T07:01:26Z2005-03-09T15:00:00Zタイトル: 在沖県域紙が提示する「沖縄」像 : 「米兵による少女暴行事件」との関連で
著者: 桑江, 友博
抄録: 本論の目的は,沖縄県の県域紙である『琉球新報』と『沖縄タイムス』が「沖縄」をどのように描いているのか,ある事件を事例に明らかにしようとするものである。既存の研究においては「沖縄」に付与されたイメージは,日本本土と沖縄の非対称な権力関係からさまざまな問題を浮かび上がらせてきた。しかし,沖縄県内の主要なメディアが「沖縄」をどのように表現するかについて十分な検討はなされていない。 そこで本論では1995年9月の「米兵による少女暴行事件」を契機に顕在化した日本政府と沖縄県の対立の時期に着目し,両県域紙の言説を分析した。結果,両紙は,人権侵害や性犯罪という事件が惹起した当事者性の側面を曖昧にしたままで「基地被害」という側面を前面に出して報じたこと,また事件を「在日米軍地位協定」や「日米安保条約」を議論するきっかけとして位置づけた。それらを踏まえた上で,「沖縄」を被害者としての側面を強調することにより,事件を第二次大戦以降の基地被害の一類型として扱ったことなどが明らかになった。 両県域紙がこのような言説を生産した背景に「沖縄の心」という反戦・米軍基地撤去を訴える言説があることを指摘した。この言説によって,事件によって創出された「少女」の苦痛を共有するための公共性は「反米軍基地」の言説に変化したことを明らかにした。2005-03-09T15:00:00Z祭礼の変容と地域社会 : 福山市内海町の事例から武田, 尚子http://hdl.handle.net/11149/2352018-07-17T07:01:26Z2005-03-09T15:00:00Zタイトル: 祭礼の変容と地域社会 : 福山市内海町の事例から
著者: 武田, 尚子
抄録: 本稿は,広島県福山市内海町(田島と横島の2つの離島から構成される)の町地区を調査対象地とし,1980年代に氏神神社の祭礼に生じた変化を通して,地域社会における「Social Capital」「人と人との関係性の資源」の形成過程について考察した。 1984年に田島の町地区では神輿渡御に際し,隣接する横島地区と神輿ジョイントを実施した。異なる自然村どうしの間で,神輿渡御の合同イベントの企画が実現するのは,稀なことである。この2年前から町地区では,祭礼に特化した機能集団が結成され,地域自治会とは距離をおいて活動していた。当時の地域自治会役員層の祭礼運営の方針とは相容れない神輿ジョイントのアイデアは,この機能集団によって実行されたものであった。機能集団のこの行為は,祭礼慣行を遵守する地域自治会役員層の発想とは乖離するため,この行為をどう評価すべきか,その解釈をめぐっては不安定な要素があったが,機能集団の存在や行為は,次第に地域社会の支持を得ていった。現在では,地域行事の実施にあたって,この機能集団の協力が欠かせない状況になっている。 集落コミュニティが担う機能の中で,祭祀慣行は最も変化しにくいものである[鈴木広1975:127]。このような伝統的な集落の発想をこえる行為の出現を支えた仕組みを明らかにするために,機能集団の中核的人物のライフ・ヒストリーを分析した。その結果,中核的人物は青年の頃から,離島に生きる者としての生き方を模索し,複数のアソシエーション集団の活動に活発に関わることによって,「人と人との関係性の資源」を形成・蓄積してきたことがわかった。また,神輿ジョイント実現にあたっては,自営業主層のネットワークを活用することによって,異なる自然村との間の合同イベントを実行できたことが明らかとなった。 このようにライフ・ヒストリー分析を用いることによって,中核的人物が,アイデア実現のため重要な資源となった「重要な他者」を身辺に獲得し,配置していった過程について,時間的パースペクティブ,空間的パースペクティブをとりいれて考察することができた。つまり,パーソナル・ネットワーク分析でいうところのエゴのパーソナル・ネットワーク形成が,地域社会における「Social Capital」「人と人との関係性の資源」に深化していく様相をとらえることができた。このように,本稿は祭礼が変容する課程を通して,個人史と地域社会構造の関連を解明し,記述する方法を模索してみたものである。2005-03-09T15:00:00Z父親と新しい「親密圏」をめぐる一考察 : 不登校を考える親の会「かざぐるまの集い」を事例として加藤, 敦也http://hdl.handle.net/11149/2362018-07-17T07:01:26Z2005-03-09T15:00:00Zタイトル: 父親と新しい「親密圏」をめぐる一考察 : 不登校を考える親の会「かざぐるまの集い」を事例として
著者: 加藤, 敦也
抄録: 本稿は不登校の子どもを抱える家庭,特にその父親を事例として,現在興隆している家庭への「父親コール」の言説が見落としている家族,特に父親の社会的孤立という問題とその克服を考察するものである。1・2章では父親コールの1つの特徴として家族の対内関係を強化する志向性とその問題点を指摘している。その上で,現在の社会における家族が社会的孤立のうちに抱えなければならない困難な問題の緩和を「親密圏」の特徴を備えた場所に求める提案を行っている。本稿で考察の対象としている不登校の事例においては,この現象について問題を共有する「親の会」が「親密圏」に該当する。家族の社会的孤立と親密圏という概念の整理を踏まえた上で,3章では栃木県真岡市にある不登校を考える親の会「かざぐるまの集い」の代表である亀田孝義氏に行った面接インタビュー調査の内容を記述している。面接インタビュー調査は「父親が親の会に参加することで得るもの」というテーマで行った。4・5章では面接インタビュー調査で語られた内容を踏まえながら,職業領域外であり,そのうえ家族領域外でもあるという条件を備えた親密圏への男性の参加が,個人にとって男性をめぐる既存の社会的位置づけを問い直す政治的ポテンシャルにつながりうることを示唆している。2005-03-09T15:00:00Z夫婦のジェンダー関係と第一子出産タイミング福田, 亘孝http://hdl.handle.net/11149/2372018-07-17T07:01:26Z2005-03-09T15:00:00Zタイトル: 夫婦のジェンダー関係と第一子出産タイミング
著者: 福田, 亘孝
抄録: This article examines the influence of gender-equity within the family on the tempo of first childbearing in Japan. To this end, we applied proportional hazard regression to data from the 1998 National Family Research Survey, supplemented by national-level data on economic performance and the development of family-friendly policy. The results of this study show, firstly, that a more equal sharing of housework between a husband and wife tends to delay her entry into motherhood. Secondly, the relation between female educational attainment and the length of a first birth interval varies depending on the level of gender-equity within the family. More specifically, in households with the egalitarian gender division of domestic work, the influence of wives' educational level on the tempo of first birth is great. In contrast, where housework concentrates on wives, their education has a small impact on childbearing behaviour.2005-03-09T15:00:00Z