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2023年度・2024,No.26 >
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http://hdl.handle.net/11149/2600
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タイトル: | 震災遺物と震災遺構の語り方―ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展― |
その他のタイトル: | 震災遺物と震災遺構の語り方―ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展― |
著者: | 矢田部, 圭介 YATABE, Keisuke |
発行日: | 2024年3月22日 |
出版者: | 武蔵社会学会 |
抄録: | ふくしま震災遺産保全プロジェクトの震災遺産展では,震災遺産がふくしまの経験を語るとされる。このとき,じっさいにおきているのはどのようなことだろうか。ふくしまの経験を語りうる震災遺産とはどのようなもので,それは震災遺産展でどのようにはたらいているのか。そしてそれが語るのはどのような物語なのか。ふくしま震災遺産保全プロジェクトでは,東日本大震災が産み出したモノやバショのうち,特定の場所との結びつきが明らかで,その来歴を辿ることの可能なモノやバショを,震災遺物や震災遺構として保全の対象としてきた。そして,震災遺産展では,こうした震災遺物や震災遺構は,言葉と組み合わせられて,個別具体的なふくしまの経験を,物語として提示した。このとき,震災遺物や震災遺構は,この物語の構成要素でありつつ,それをうらづける証拠ともみなされる。また,震災遺産展で提示された個々の物語は,断絶のプロットにもとづく物語と捉えることができる。そして,この断絶の物語がはらむ震災以前と以後との非連続性は,震災遺構・震災遺物の痕跡としての性質によって裏づけられている。同時に,ふくしま震災遺産保全プロジェクトでは,震災以前と以後との連続性も強調され,それが震災遺構の場所性と震災遺物の物質性によって証しされる。こうしたふくしま震災遺産保全プロジェクトの実践は,阪神・淡路大震災の経験をふまえた問題提起への,東日本大震災の経験からの回答だとみなすことができる。 |
URI: | http://hdl.handle.net/11149/2600 |
出現コレクション: | 2023年度・2024,No.26
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