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武蔵社会学論集 : ソシオロジスト 「The Sociologist : Journal of the Musashi Sociological Society」 >
2000年度・2001,No.3 >

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タイトル: <研究ノート>シュンペーター『社会科学の過去と未来』をめぐって
その他のタイトル: <Research Note> Discussion over Schumpeter's "Past and future of social science"
著者: 小渕, 高志
OBUCHI, Takashi
発行日: 2001年3月22日
出版者: 武蔵社会学会
抄録: シュンペーターは,資本主義社会の歴史的進化という大きな広がりを持つ問題について,経済社会学の立場から独特のヴィジョンを形成した。本稿はそのヴィジョンにおける今日的な意味を見い出すのがねらいである。シュンペーターの描いた社会像は,静態均衡と動態現象との二分法によって特徴づけられ,それぞれの領域は固有の静学と動学とを持つ。その結果として,それぞれの領域について自律的な論理が想定でき,そこから導き出されるヴィジョンは,発展における人間的要因に注目した社会学的・歴史学的・文化哲学的問題へとつながる社会科学一般の関連に視野を広げるものである。このように,シュンペーターはあらゆる社会生活の領域を静態と動態によって二分しつつも,社会科学の構想を総合的に捉えている。というのも,静態においては適応的な人間行動による均衡の秩序を考え,動態においては革新的な人間行動による均衡の破壊を考えるというように,その基礎には一種の人聞学をおいていたからである。こうしたシュンペーターの思索の直接的な理解のために,本稿でとりあげる『社会科学の過去と未来』は,大いに役に立つものではなかろうか。また,本書のメインテーマである“科学とは何か”,とくに,“社会科学とは何か”,という問いをめぐる議論は,複雑で多様化する現代の学問的状況の中にあって,その座標軸が揺れている社会学の地を固める塩ともなろう。
URI: http://hdl.handle.net/11149/199
出現コレクション:2000年度・2001,No.3

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