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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2009年度・第57巻 第1号 >

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タイトル: 収益と費用の対応,利益のボラティリティ,利益の将来キャッシュフロー予測能力の関係
その他のタイトル: The Relationships between Revenue and Expense Matching, Earnings Volatility, and the Ability to Predict Future Cash Flow
著者: 海老原, 崇
発行日: 2009年8月10日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 利益およびその構成要素の将来キャッシュフロー予測能力は,実証研究でも主要な研究テーマとして多くの検証がなされてきたが,モデルの予測能力ないしは予測精度の向上が主要な研究テーマであり,利益のどのような性質と関係するかという点に関する研究は少ない。本研究では,利益の将来キャッシュフロー予測能力に関係する利益の性質として,利益のボラティリティに注目した。Yoder(2006)やDefond and Hung(2003)では,利益のボラティリティと利益の将来キャッシュフロー予測能力が直接的,間接的に関係することを示している。また,Dichev and Tang(2006)は,収益と費用の対応が不完全である場合,対応が完全である場合に比べて利益のボラティリティが増加することを示している。すなわち,収益と費用の対応が不完全である場合,利益のボラティリティの増加によって,利益の将来キャッシュフロー予測能力は低下しうることが理解できる。 本研究では,Defond and Hung(2003)に基づいて収益と費用の不完全な対応による利益のボラティリティの増分を推定し,河(2001)等に基づいて求めた利益の将来キャッシュフロー能力との関係を検証した。検証の結果,収益と費用の不完全な対応に起因する利益のボラティリティの増分が小さい(大きい)ほど,利益の将来キャッシュフロー予測能力は高い(低い)ことが明らかとなった。本研究の結果からは,収益と費用の対応の程度が利益の質に関係しうること,収益と費用の対応の程度が産業別の要因,経営者による裁量的会計行動,会計基準等の影響を受けること,そして,基準設定の観点から収益と費用の正確な対応を求めるべきことが示唆される。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1435
出現コレクション:2009年度・第57巻 第1号

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