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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2009年度・第57巻 第3・4号 >

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タイトル: 弁護士報酬敗訴者負担法案(2004 年)の経済学的分析
その他のタイトル: An Economic Analysis of the Japanese Loser’ Pay Rule Bill of 2004
著者: 木下, 富夫
発行日: 2010年3月10日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 2004 年3 月国会に上程された「弁護士報酬敗訴者負担制度法案」は会期中に成立せず,結局廃案になった。同法案に対しては労働者団体,消費者団体,日弁連などから強い反対があったが,一方経営者団体,裁判官の代表,法務省はそれを支持した。 本稿では裁判モデルを作成し,同法案の導入がもたらす効果を分析した。その分析結果は,同法案の導入によって低勝訴確率の原告の,(1)裁判へのアクセスを抑止する効果をもつ(また,彼らの危機回避度が高くなるほど,あるいは資産規模が小さいほどその抑止効果はより強くなる)(2)一般に弁護士費用支出を増加させる(3)裁判の価値を小さくする(4)和解率を高める効果をもつ(5)弁護士費用支出の資産弾性値を約40%大きくする,等である。 したがって,‘ 個人(原告)vs.企業(被告)’ という訴訟の構図を考えたとき,同法案(敗訴者負担ルール)の導入は,裁判という土俵上での力関係を大企業に有利な方向に,そして(資産規模の小さい)個人には不利な方向に働く。以上の結果は,なぜ経団連が導入を支持し,消費者団体などがなぜ反対したかを説明している。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1371
出現コレクション:2009年度・第57巻 第3・4号

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