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武蔵大学論集 「The Journal of Musashi University」 >
2006年度・第54巻 第2号 >

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タイトル: 国際分散投資と為替ヘッジに関するマクロショックの影響
その他のタイトル: Implications for International Diversifications and Exchange Risk Hedges
著者: 大野, 早苗
発行日: 2006年11月30日
出版者: 武蔵大学経済学会
抄録: 本稿では,国際株式分散投資における為替ヘッジの有効性を,実質ベースおよび名目ベースのポートフォリオに関して考察した。長期投資では実質ベースのパフォーマンスに注目するが,為替ヘッジの有無によるリターン格差に相当する為替リスク・プレミアムは長期的にはゼロになる可能性があるため,長期投資ではあえて為替リスクを負担する意味は見出せない。しかし,リスクに関しては,PPP が成立すれば,インフレ・リスクのヘッジ効果により,為替ヘッジなしのほうがポートフォリオ分散を低減できる可能性がある。また,リアル・ショックの影響などでPPP が成立せずとも,実質株価と実質為替レートの分散効果によっては為替ヘッジ戦略が優越するとは限らない。本稿では円ベースと米ドルベースのポートフォリオ分散を比較したが,日本の投資家の場合には実質為替変動の低減効果に加えて実質株価と実質為替レートの分散効果が存在するため,長期投資における為替ヘッジの有効性は支持されなかった。 名目ベースの国際ポートフォリオについては,為替ヘッジによる為替分散リスクの除去効果は大きいと考えられているが,株価と為替の分散効果によりヘッジなしポートフォリオの分散のほうが低下する時期も見られる。そこで,潜在変数モデルを応用した多変量GARCH モデルを用いて日米の株価と円ドルレートの相関にマクロショックが与える影響を検証した。マネタリー要因として取り上げた流動性効果の影響は確認できなかったものの,リアル要因は確認され,2000 年初頭のように,日米ともに生産が減少していた局面で,株価と為替の分散効果が顕著になっていた可能性が示唆された。
URI: http://hdl.handle.net/11149/1283
出現コレクション:2006年度・第54巻 第2号

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